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High Rises by g.
 今やオランダのみならず、時代を代表する高層建築分野で最大の表現力を発揮するOMAのRem Koolhaas氏、OMAのサポート業務を担当するAMOのOle Scheeren氏の公開講義をColumbia Unversityに聴きに行って来た。

 彼らのFarmが、手がけている北京に建設中のCCTVやTVCCについての中国における文化、経済、政治的な背景を独自に解釈にしたプログラムと、それをもとにしたはっきりとした意思表示を持ったアイコノグラフィ(Iconography)を、原稿も持たずに独特な語り口で慎重に言葉を選びながら講義は進められて行く。
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 彼らの感点によると、高層建築はもはや高さだけを求められるものではなくなって来ているという事が根底にあるようだ。21世紀と言う、時代のもたらす建築界を取り巻く技術の革命的な進歩、それに伴う空間や、時間的な拘束からの解放。
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 かつては、モミュメンタリティ(Momumentality)という言葉が頻繁に使われていた。それを取って代わる事になるであろうIconographyという言葉。二つの言葉が、大きな意味で包容する建築物についての意味。古代の宮殿や寺院などが果たしていた社会的な意味を、現代社会においては高層建築が様々な進歩を象徴的に果たしている。
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 建築物とは、多くの人々の小さな力が一つとなりそれを構成している。何世代にもわたり、多くの人々が建物を中心に築いて行く、様々な時間や空間を共有した人間関係。その人間関係をもとにして構成される人間社会。
 NYCに溢れる高層建築の創り出す様々な人間模様とはまた一味違うその考え方に共感を覚える一方で、建築物の果たす役割の大きさに その意味の深さを実感した時間でもあった。
by newyork_info | 2006-11-13 09:55 | Other